臨床検査室

業務内容

当検査室は施設特性上、救急搬送されてきた患者さんの救命検査を主体とし、その他30床の入院患者さんの検査業務を実施しています。臨床検査に求められる“迅速性や正確性”はもちろんのこと、様々な主訴で搬送されてくる患者さん個々に対して、オーダーメイド検査が提供できるように日々研鑽しています。また生化学検査や血液検査だけでなく微生物検査・輸血検査・薬毒物検査などについても、救命検査に精通した臨床検査技師が24時間365日対応しています。
検査業務だけでなく、救命センターにおけるチーム医療にも積極的に参画し、感染対策チーム(ICT)・栄養サポートチーム(NST)・DMAT等の災害時活動・医療安全管理者として様々な情報を管理・運用し、臨床および患者さんに提供できる体制を整えています。

下図にある臨床検査機器を使用し、オーダーメイド検査を医師に提案し、迅速に報告できる体制を構築しています。

 

 

認定資格
 認定救急検査技師
 細胞検査士
 超音波検査士(循環器)
 日本DMATインストラクター
 MIMMSインストラクター
 医療安全管理者

 

 

業務内容詳細

院内実施検査

(1) 検体検査

1)生化学・免疫学的検査
患者さんから採取した血液・尿・髄液などを測定します。体内の炎症反応を始め、肝機能や腎機能などの項目を測定し、相対的に判断します。
また各種血液感染症やホルモンなども同時測定することにより、より迅速に検査結果を提供し、救急搬送された患者さんの病態検索を行います。

2)凝固線溶検査
大量出血や血液疾患などで生じる出血傾向や凝固異常などを判断する項目を測定します。
輸血療法や各種治療に繋がるように口頭も含めた迅速な報告体制をとっています。

3)血液算定検査
患者さんから採取した検体で、赤血球数・白血球数・血小板数など測定します。
外因性や内因性における貧血や白血球数の増加による感染症の判別、また白血球分類などによる白血病の検索を行っています。

4)免疫学的検査
血清や血漿を用いて敗血症マーカーを測定します。
敗血症は、患者さんの予後に関わる重篤な疾患であり、早期に診断し治療につなげることは重要で、検査室としても重点的に捉えている疾患の1つです。

5)血液ガス検査
救急医療において血液ガス分析は、非常に重要です。
救急疾患におけるABCDサイクルのどこに異常があるかを本装置で予測することができます。
また当センターの機器には、クレアチニン測定も搭載されているため、早期に腎機能を評価することも可能です。

6)尿一般検査
患者さんから採取した尿成分を測定します。尿中の潜血反応や白血球成分を調べ、腎機能を評価します。
また尿や血清の浸透圧も実測し薬毒物の影響や糖尿病の評価をします。

7)薬物濃度検査
種々の薬物を誤飲されてくる患者さんも搬送されてきます。
特に治療につながるような重要な薬物に関しては、定量測定ができるようしています。
また本装置は水を使用しないため、災害時において給水が途絶えた場合でも、各種生化学検査項目を代用できるように配備しています。

8)毒物定性・半定量検査
・ 薬物スクリーニング
・ 有機リン
・ パラコート
・ シアン
・ グルホシネート
・ ヒ素
・ アジ化ナトリウム
等の薬毒物を測定できる体制を整えています。

(2) 微生物学的検査

1)グラム染色検査
スライドグラスに検体を塗り付けて染色を行い、顕微鏡で観察することで患者さんの病態や、感染症の原因となっている微生物を推定します。

 

2)抗酸菌染色検査
結核菌などの抗酸菌と呼ばれる細菌を見つけ出す検査です。抗酸菌を特異的に染色する抗酸菌染色を行い、顕微鏡で観察します。抗酸菌を検出する上で、最も簡便で迅速な検査です。

3)血液培養検査
血液中の微生物の有無や、種類を調べる検査です。
血液は通常無菌状態ですが、微生物が検出される場合は重篤な感染症につながる可能性があり、注意が必要となります。迅速に培養検査を開始し、少しでも早く結果報告を行える環境を整えています。
血液検体以外の培養検査は外部委託により実施しています。

4)微生物遺伝子検査
各種細菌やウイルスなどの遺伝子を1時間という速さで結果を報告します。敗血症や髄膜炎の起因微生物を迅速に検出することにより、患者さんに適正な薬剤を投与することが可能になります。また不必要な抗菌薬投与を抑制することにも貢献しています。

5)各種感染症定性検査
咽頭ぬぐい液や鼻腔粘液などの患者さんから採取された検体を迅速キットで検査します。
・インフルエンザA/B 
・クロストリデオイデス・ディフィシル
・ストレプトA    ・肺炎球菌
・アデノウイルス  ・ノロウイルス
・大腸菌O-157   ・マイコプラスマ

6)エンドトキシン・βDグルカン検査
各種微生物の細胞壁成分であるエンドトキシンやβDグルカンを測定します。上記感染症検査と併用して敗血症や真菌症を診断し、迅速な治療につなげています。

(3) 輸血検査

1)血液型検査、不規則抗体検査
救急搬送された患者さんの血液型(ABO式、Rh式)や不規則抗体の有無を用手法と装置による判定とを組み合わせて検査を実施しています。

2)交差適合試験
迅速に検査を実施し、患者さんと適合した血液を払い届けるのはもちろんのこと、外傷例による緊急輸血にも対応できるように輸血システムとPDAを用いた適合処理を行い、安全で迅速な輸血療法が実施できるように工夫しています。

(4) 生理学的検査

1) 心電図検査
心臓の拍動に伴って生じる電気的信号を体表面から波形として記録する検査です。各種不整脈や心筋梗塞など緊急性を要する疾患を判別するためになくてはならない装置です。
搬入時に測定するのはもちろんのこと、入院時にもう一度再検査を実施し、心機能を評価しています。

2) 脳波検査
脳の神経細胞の電気的活動を頭部に取り付けた電極で電気波形として測定する検査です。
てんかんなどの脳の器質的変化を見つけたり、外傷等による脳死判定の際に使用したりします。

3) 聴性脳幹反応検査
当センターでは、脳死判定の補助検査として右図の装置を用いて脳幹反応を調べます。

4)エコー検査
心臓の動きや大きさ、壁の厚さ弁機能の評価を右図の装置を用いて検査します

★検査外業務
医療安全管理者をはじめ、感染管理を担うICT(Infection Control Team)や栄養管理を担うNSTにも参画し災害時の医療活動を担うDMAT隊員としてもチーム医療の一環として活動しています。

◆ 学術研究・発表
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